産経新聞社と人事コンサルティング会社である株式会社ワークス・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役:清水信一郎、以下 ワークス・ジャパン)は、大学生・大学院生を対象とした就職希望先調査を実施しています。本記事では、2025年3月卒業・修了予定者を対象とした「25卒調査」、2026年3月卒業・修了予定者を対象とした「26卒調査」、2027年3月卒業・修了予定者を対象とした「27卒調査」の3か年分のデータを使用しています。
なお、本記事の分析は、各調査データのうち東京大学生の回答(25卒:97名、26卒:99名、27卒:86名)を対象として集計したものです。
旧帝国一工神大学別 就職活動 3か年変化レポート
旧帝国一工神大学の3か年データをもとに、採用実務に活かせる示唆を整理しました。
本レポートが、皆さまの新卒採用戦略を考えるうえでの一助となれば幸いです。
東京大学生の就職活動は、この3年で大きく変わっています
新卒採用の競争が激化するなか、採用担当者の多くが「優秀な学生に自社を選んでもらえない」という課題を抱えています。特に、東京大学をはじめとするトップ校の学生については、「商社・コンサル・外資系に流れてしまう」というイメージが定着しています。
しかし、ワークス・ジャパンが実施した新卒就活動向調査(25卒・26卒・27卒)のデータは、その「東大生像」が今まさに変わりつつあることを示しています。本記事では、人気企業ランキングの変動・志望理由のシフト・就活意識の変化という3つの切り口から、採用戦略に直結するインサイトをお届けします。
東京大学生に人気の企業はどう変化したか?
三菱商事が3年連続1位を維持する一方、27卒では製薬・不動産・重工業がTOP10に複数ランクインし、就職先の多様化が鮮明になっています。
【東京大学生・就職人気企業TOP10】志望順位別加重集計(1位5pt〜5位1pt)

ランキングから読み取れる3つのトレンド
① 三菱商事が3か年連続1位、総合商社の盤石な人気
三菱商事は25卒77pt・26卒84pt・27卒77ptと3年連続でトップを維持。伊藤忠商事・三井物産も毎年TOP4圏内に位置しており、東大生にとって総合商社は依然として最有力の就職先です。一方、25卒3位のNRI(野村総合研究所)は27卒で10位まで後退し、コンサル系への集中が一部分散しつつあることが見てとれます。
② 製薬・不動産・重工業の台頭
27卒では味の素(4位・53pt)・三井不動産(5位・50pt)・三菱地所(6位・49pt)・三菱重工業(7位・48pt)・第一三共(8位・46pt)と、生活基盤や社会インフラに近い業種が上位を席巻しています。26卒から製薬(中外製薬・第一三共)・不動産(三井不動産)が台頭し始め、27卒でさらに定着した形です。
③ 外資系・コンサルの相対的な地位変化
アクセンチュアは25卒9位(34pt)から26卒2位(68pt)へと急伸しましたが、27卒ではTOP10圏外に。ゴールドマン・サックスも26卒5位から27卒で圏外となっています。外資・コンサルへの一時的な集中が落ち着き、より多様な業種へと関心が広がっていることが示唆されます。
旧帝国一工神大学別 就職活動 3か年変化レポート
旧帝国一工神大学の3か年データをもとに、採用実務に活かせる示唆を整理しました。
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東大生の志望理由はどう変わったか?
「やりたい仕事」から「安定」へのシフト
27卒では「業績が安定しているから」が18.6%でトップに浮上。25卒(5.2%)の約3.6倍に増加し、「やりたい仕事ができそうだから」を逆転しました。
【志望理由 TOP5の変化~第1志望を志望した理由~】

「業績安定」が3年で3.6倍に急増した背景
最も注目すべきは「業績が安定しているから」という回答の急増です。25卒では5.2%に過ぎなかったこの回答が、26卒で10.1%、27卒では18.6%と、3年間で約3.6倍に拡大しています。
一方、25・26卒でトップだった「やりたい仕事ができそうだから」(25卒19.6%→26卒28.3%)が、27卒では10.5%へと大幅に落ち込んでいます。
さらに、27卒では「事業の社会的貢献度が高いと思えるから」(7.0%)や「将来性があるから」(11.6%)が一定の存在感を示しており、単純な「安定=大企業」志向にとどまらない、社会的意義や将来性を重視する複合的な価値観が形成されつつあることもうかがえます。
就職活動で東大生が意識していることはどう変わったか?
「第1志望内定」から「幅広い探索」へ
「第一志望企業の内定をもらう」を意識する東大生は25卒の54.6%から27卒で15.1%へ激減。代わりに「業界を絞らず様々な企業を見てみる」が45.3%でトップになっています。
【意識していること TOP6の変化 ~就活で意識していること~】

「第1志望内定」が急落から読み取れることは
最も衝撃的な変化は「第一志望企業の内定をもらう」という回答の急落です。25卒では54.6%と過半数が意識していたこの項目が、26卒でも52.5%を維持していた一方、27卒では15.1%にまで落ち込んでいます。
代わって27卒で最多となったのが「業界を絞らず、様々な企業を見てみる」(45.3%)です。25卒の24.7%から、わずか3年で約2倍近くに増加しています。
この変化は、VUCAの時代を生きてきた学生がファーストキャリアを「失敗したくない」という意識を持ち、不確定要素をできる限り排除しようとする姿勢と符合します。「最初から1社に絞り込む」のではなく、「幅広く比較検討してから慎重に決める」という就活スタイルへの移行が、東大生の中にも明確に進んでいます。
採用担当者はこのデータをどう採用戦略に活かすべきか?
東大生の志向変化を踏まえると、採用戦略で優先すべき見直しポイントは4つです。
① 「安定性」を語る言語を再設計する
東大生の志望理由で「業績が安定しているから」が急増した事実は、採用担当者にとって重要なメッセージです。これは「安定した基盤のうえで、意義ある仕事をしたい」という能動的な動機です。
採用広報において以下の3点を具体的に発信できているか確認しましょう。
1. 財務の健全性(自己資本比率・連続増益年数など数値で示す)
2. 事業継続性(市場シェア・顧客基盤の安定度)
3. 社会インフラとしての役割(社会課題との接点を言語化)
② 「業界を絞らない学生」を前提にした情報設計
27卒の東大生の45.3%が「業界を絞らず様々な企業を見てみる」と回答していることは、自社の業界を知らない学生が入り口になりうることを意味します。
業界知識を前提とした採用コンテンツは、業界未知の学生に届きません。以下の順序で設計することを推奨します。
1. 「この業界は社会のどんな課題を解決しているか」を明確に説明
2. 「他業界との比較優位」をわかりやすく示す
3. 「入社後の具体的なキャリアイメージ」を社員の声と合わせて提示
③ 製薬・不動産・インフラ系企業の「東大採用」チャンスが拡大
27卒ランキングで製薬(第一三共)・不動産2社(三井不動産・三菱地所)・重工業(三菱重工)が並んだことは、東大生のキャリア探索が従来の商社・コンサル・IT以外に広がっていることを示します。製薬・素材・インフラ系の企業にとっては、東大生へのアプローチを強化する好機です。
④ 「早期確定」より「納得感の醸成」を優先する
「第1志望の内定獲得」という意識が薄れ、「幅広く見て納得して決める」スタイルが主流になるなかで、早期囲い込みだけに依存した採用アプローチは機能しにくくなっています。
内定後の辞退防止に有効な施策は以下の優先順位で検討しましょう。
1. 内定者フォロー面談(入社後イメージの具体化)
2. 社員との接触機会の設計(OB訪問・懇親会)
3. 入社前インターンシップ・研修プログラムの整備(業務理解の促進)
まとめ:東大生の就職活動3か年変化で採用担当者が押さえるべき3点
東京大学生の就職活動は、25卒から27卒にかけて以下の3つの変化が数字で裏付けられました。
1. 志望企業の多様化:総合商社の安定人気は継続しつつ、製薬・不動産・重工業など「社会基盤型」企業が台頭
2. 志望理由の安定志向シフト:「業績の安定性」が3年で3.6倍に増加し27卒で1位に。「やりたい仕事」への関心は急落
3. 就活スタイルの探索型移行:「第1志望内定」意識が54.6%→15.1%に激減。「業界を絞らない」探索型が45.3%でトップ
これらの変化は、採用担当者にとって「今まで通り」の訴求では東大生に届かなくなっていることを示しています。「安定の中身」を語り、「多様な入り口」を設け、「入社後の具体的なイメージ」を丁寧に伝える採用コミュニケーションへの見直しが求められています。
よくある質問
Q1. 東京大学生に人気の企業は毎年変わるのでしょうか?
はい、変化しています。ワークス・ジャパン調べの3か年データでは、総合商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事)は3年連続で上位を維持している一方、コンサル・外資系は順位の変動が大きく、製薬・不動産・重工業が27卒で新たに台頭してきました。採用競合の把握にあたっては、最新データに基づく定点観測が不可欠です。
Q2. 東大生の「安定志向」は、ここ数年でどのように変化していますか?
本調査データでは、「業績が安定しているから」を第1志望の志望理由に挙げる東大生が25卒5.2%→26卒10.1%→27卒18.6%と3年間で約3.6倍に増加しています。かつてトップだった「やりたい仕事ができそうだから」(26卒28.3%)が27卒では10.5%に急落しており、東大生だからといって「成長・やりがい志向」が突出しているとは言えない時代になっています。
Q3. 自社が製薬・不動産・インフラ系ではない場合、東大生の採用でどう差別化すれば良いですか?
27卒東大生の45.3%が「業界を絞らず様々な企業を見てみる」と回答しており、業界横断的に学生が動いていることを意味します。差別化の鍵は「業界」ではなく「仕事・職場の中身」の発信です。自社の社会的意義・事業の安定性・社員が働くリアルなイメージを具体的に伝えることが、業界問わず東大生の関心を引く入り口になります。
旧帝国一工神大学別 就職活動 3か年変化レポート
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調査概要

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会社概要
社名 株式会社産業経済新聞社
所在地 東京都千代田区大手町1丁目7番2号
ホームページ https://www.sankei.jp/
設立 1955年2月15日
資本金 31億7,219万8,500円
代表者 近藤 哲司
事業内容
・産經新聞、サンケイスポーツ、夕刊フジ、 雑誌「正論」など各種媒体を発行、
・産経ニュースほか各種デジタルサイトの配信、イベント事業 など
社名 株式会社ワークス・ジャパン
所在地 東京都千代田区鍛冶町2丁目2番2号 神田パークプラザ7階
ホームページ https://www.worksjapan.co.jp/
設立 2010年7月7日
資本金 1億1,250万円
代表者 清水信一郎
事業内容
企業人事部向けコンサルティングとサービス提供
・採用プロモーションの企画・立案、Web、映像、パンフレット等、各種ツールの企画・制作
・採用業務支援システム事業、適性アセスメント事業
・学生就職支援・キャリアデザイン事業 など
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