新卒採用を取り巻く環境が変化する中で、従来の手法だけでは求める人材の確保が難しくなっています。
自社の魅力を的確に伝え、学生に選んでもらうためには、多様化する新卒採用の手法を理解し、自社の課題や目的に合わせて最適な戦略を立てることが不可欠です。
この記事では、主要な新卒採用の手法10選を比較し、それぞれのメリット・デメリット、費用感を解説するとともに、自社に合った手法の選び方を紹介します。
変化する新卒採用市場!知っておきたい3つの最新トレンド
近年の新卒採用市場は、学生の価値観の変化やデジタル技術の進化に伴い、大きな変革期を迎えています。
採用活動の開始時期は年々早まり、企業はより早期から学生との接点を持つことが求められるようになりました。
また、情報収集の主戦場がSNSへと移行したZ世代へのアプローチや、オンラインと対面を組み合わせた選考プロセスの最適化も、採用成功の鍵を握る重要なトレンドとなっています。
ますます加速する採用活動の早期化
企業の採用意欲の高まりや、学生の就職活動に対する意識の変化を背景に、新卒採用活動の早期化がますます加速しています。
特に、多くの企業が大学3年生の夏から秋にかけてインターンシップを実施し、早期に優秀な学生との接点を持とうとする動きが活発化しました。これにより、事実上の選考活動が早期に開始されるケースも少なくありません。企業としては、従来の採用スケジュールにとらわれず、早期から学生に自社を認知してもらい、魅力を伝えるための戦略的な広報活動やイベント企画が求められます。
Z世代に響くSNSを活用した情報発信
Z世代と呼ばれる現代の学生にとって、SNSは日常的なコミュニケーションツールであると同時に、企業の情報収集を行う重要なプラットフォームです。
就職ナビサイトなどの画一的な情報だけでなく、SNSを通じて発信される社員の日常や企業の雰囲気といった「リアルな情報」を重視する傾向が強まっています。
企業は、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokといった各種SNSの特性を理解し、自社のカルチャーや働く人の魅力を継続的に発信することで、学生との心理的な距離を縮め、効果的なブランディングを行う必要があります。
オンラインと対面のハイブリッド選考が主流に
新型コロナウイルス感染症の流行を機に急速に普及したオンライン採用は、場所や時間の制約を受けない効率的な手法として定着しました。
一方で、企業の文化や社員の雰囲気を肌で感じたいという学生のニーズも根強く、オンラインの利便性と対面の相互理解の深化を両立させるハイブリッド型の選考が主流となっています。
説明会や一次面接はオンラインで効率的に実施し、最終面接や座談会は対面で行うなど、選考フェーズに応じて最適な形式を組み合わせることで、学生・企業双方の満足度を高める工夫が不可欠です。
【一覧比較】新卒採用の主要な手法10選

新卒採用で成果を出すためには、数ある手法の中から自社の状況に合ったものを見極める必要があります。
ここでは、新卒採用で用いられる主要な10の方法を一覧で紹介し、それぞれの特徴を比較します。
多くの学生にアプローチできる従来の方法から、特定の層に直接働きかける新しいアプローチまで、各手法のメリット・デメリットや費用感を理解し、自社の採用戦略を構築するための土台とすることが重要です。
1. 就職ナビサイト|多くの学生に自社を認知してもらう
就職ナビサイトは、多くの企業情報が集約されたプラットフォームであり、新卒採用において最も一般的な手法の一つです。
膨大な数の学生が登録しているため、エントリーの母集団を形成しやすく、幅広い層の学生に自社を知ってもらうきっかけになります。
特に、企業の知名度がまだ高くない場合には、学生との最初の接点として有効に機能します。
サイト内で説明会予約からエントリーまで完結できる利便性の高さも特徴で、多くの企業が採用活動の基盤として活用しています。
メリット:圧倒的な登録者数で広範囲にアプローチ可能
就職ナビサイト最大のメリットは、その圧倒的な学生登録者数にあります。
大手サイトには数十万人の学生が登録しており、地域や文理を問わず、非常に広範囲の学生に対して自社の存在をアピールできます。
エントリー機能や説明会予約システムなど、採用管理を効率化するツールが充実している点も魅力です。
これにより、採用担当者は多くの応募者情報を一元管理しやすくなり、採用プロセス全体の効率化を図ることが可能です。
特に母集団形成のフェーズにおいて、その効果を大きく発揮します。
デメリット:他社に埋もれやすくコストがかさむ傾向
多くの企業が利用するため、自社の情報が他社の求人に埋もれやすいというデメリットがあります。
学生の目に留まるためには、掲載プランを上位のものにしたり、学生の注目を引くためのオプション機能を追加したりする必要があり、結果的にコストが高くなる傾向にあります。
また、学生は一括で多くの企業にエントリーする傾向があるため、自社への志望度が低い応募者も多数含まれる可能性があります。
そのため、応募者一人ひとりの志望度を見極め、動機づけを行うための工夫が別途必要になります。
費用の目安
就職ナビサイトの費用は、掲載期間やプラン、オプション機能の有無によって大きく変動します。
基本的な情報掲載のみのプランであれば20万円前後から利用できる場合もありますが、大手ナビサイトで上位表示やスカウトメール機能などを活用する場合は、年間で100万円から数百万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
一般的には、基本掲載料に加え、説明会への送客や特定ターゲットへのDM配信といったオプションごとに追加料金が発生する料金体系となっています。
2. 新卒紹介サービス(エージェント)|プロが最適な人材を紹介
新卒紹介サービスは、人材紹介会社(エージェント)が企業の採用要件に合致した学生を探し出し、紹介する採用手法です。
企業の代わりにエージェントが学生のスクリーニングや動機づけを行ってくれるため、採用担当者の負担を大幅に軽減できます。
特に、特定のスキルや専門性を持つ学生をピンポイントで採用したい場合や、採用活動に十分なリソースを割けない企業にとって有効な選択肢です。
多くのサービスが成功報酬型を採用しており、初期投資のリスクを抑えながら採用活動を進められます。
メリット:採用工数を削減でき成功報酬型が多い
最大のメリットは採用に関わる一連の業務をエージェントに委託できるため自社の採用工数を大幅に削減できる点です。
母集団形成から候補者のスクリーニング面接日程の調整内定後のフォローまで代行してくれる場合が多く採用担当者はコア業務である面接や学生とのコミュニケーションに集中できます。
また料金体系は成功報酬型が主流であり学生が入社を承諾するまで費用が発生しないため採用に至らなかった場合のリスクを抑えつつ効率的に採用活動を進めることが可能です。
デメリット:紹介手数料が高額になる可能性がある
成功報酬型のため採用リスクは低いものの、採用が決定した際に支払う手数料は比較的高額になる傾向があります。
一般的に、紹介された学生の理論年収の30%~35%程度が手数料の相場とされており、採用人数が多くなると全体のコストが想定以上にかさむ可能性があります。
また、採用プロセスをエージェントに依存するため、自社に採用ノウハウが蓄積しにくい点もデメリットです。
学生との直接的な接点が少なくなるため、自社の魅力を十分に伝えきれない場合も考えられます。
費用の目安
新卒紹介サービスの費用は、完全成功報酬型が一般的です。
1名採用あたりの料金は、紹介された学生の理論年収の30%~35%程度が相場とされていますが、中小企業向けや特定の職種に特化したサービスでは、一律で60万円~100万円程度の固定料金を設定している場合もあります。
着手金や初期費用はかからないケースがほとんどですが、契約内容によっては早期退職時の返金保証などが設けられているため、事前にサービス内容をよく確認する必要があります。
3. 合同説明会・就職イベント|学生と直接対話できる
合同説明会や就職イベントは、一つの会場に多数の企業と学生が集まり、直接コミュニケーションを取ることができる採用手法です。
学生にとっては、一日で多くの企業の情報に触れられる機会であり、企業にとっては、自社の事業内容や魅力を直接学生に伝え、彼らの反応をその場で感じ取れる貴重な場となります。
ナビサイトだけでは伝えきれない企業の雰囲気や社員の人柄をアピールすることで、学生の興味を引きつけ、エントリーにつなげることを目的とします。
特に、知名度の低い企業が自社を認知してもらうきっかけとして有効です。
メリット:一度に多くの学生と接点が持てる
最大のメリットは、開催期間中に自社ブースを訪れた多くの学生と直接対話できる点です。
Web上の情報だけでは伝わりにくい企業のカルチャーや社員の熱意を直接伝えることで、学生の企業理解を深め、志望度を高める効果が期待できます。
また、様々な大学や学部の学生と一度に接点を持てるため、これまでアプローチできていなかった層の学生に自社を認知してもらう機会にもなります。
その場で質疑応答に応じることで、学生の疑問や不安を即座に解消できる点も魅力です。
デメリット:参加学生の志望度が様々で印象に残りづらい
多くの企業が出展しているため、自社のブースがその他大勢に埋もれてしまい、学生の印象に残りづらいという課題があります。
学生は情報収集を目的として気軽に参加しているケースも多く、必ずしも参加者全員が自社に強い興味を持っているわけではありません。
そのため、ブースの装飾を工夫したり、魅力的なプレゼンテーションを行ったりするなど、学生の足を止めて惹きつけるための戦略が必要です。
また、イベント後のフォローアップを怠ると、せっかくの接点が次の選考に繋がらない可能性もあります。
費用の目安
合同説明会や就職イベントへの参加費用は、イベントの規模や開催地、出展ブースの大きさや設備によって大きく異なります。
小規模なイベントであれば10万円程度から参加可能な場合もありますが、数万人規模の学生が来場するような大規模なイベントでは、出展料だけで50万円から100万円以上かかることもあります。
これに加えて、ブースの装飾費用、パンフレットなどの配布物作成費、当日の運営スタッフの人件費などが別途必要になることを考慮しておく必要があります。
4. ダイレクトリクルーティング|求める人材に直接アプローチ
ダイレクトリクルーティングは、企業がデータベースなどに登録している学生の中から、自社の採用要件に合致する人材を探し出し、直接スカウトメッセージを送ってアプローチする「攻め」の採用手法です。
従来の「待ち」の採用とは異なり、企業側が主体的に動くことで、就職ナビサイトなどでは出会えない潜在層の優秀な学生にもアプローチできます。
企業の理念や事業内容に共感してくれる可能性の高い人材をピンポイントで狙えるため、採用のミスマッチを減らす効果も期待されています。
メリット:自社に合う人材をピンポイントで探せる
最大のメリットは学生のプロフィールやスキル経験などを基に自社が求める人物像に合致した人材をピンポイントで探せる点です。
企業側から能動的にアプローチするためまだ自社を知らない優秀な学生や潜在的な転職希望者にも働きかけることが可能です。
学生一人ひとりに合わせたスカウトメッセージを送ることで特別感を演出し自社への興味を引きつけやすくなります。
これにより応募者の質が高まり選考プロセス全体の効率化と採用のミスマッチ防止に繋がります。
デメリット:運用に工数がかかりスカウト文面の工夫が必要
ダイレクトリクルーティングは、候補者の検索、スカウトメッセージの作成・送信、応募者との日程調整など、運用にかかる工数が大きい点がデメリットです。
特に、学生の心に響くスカウトメッセージを作成するには、一人ひとりのプロフィールを丁寧に読み込み、パーソナライズされた文面を考える必要があります。
画一的なメッセージでは開封率や返信率が上がらず、効果を最大化できません。
そのため、継続的に運用するための体制構築と、効果的な文面を作成するためのノウハウが求められます。
費用の目安
ダイレクトリクルーティングサービスの費用体系は、主に「データベース利用料」と「成功報酬」の組み合わせで構成されています。
多くの場合、初期導入費用が数十万円、月額のデータベース利用料が数万円から十数万円かかります。
これに加えて、スカウトした学生が内定を承諾した際に、1名あたり30万円~60万円程度の成功報酬が発生するモデルが一般的です。
年間契約が基本となるサービスが多く、トータルコストは利用規模や採用人数によって大きく変動します。
5. SNS採用(ソーシャルリクルーティング)|企業のリアルな魅力を発信
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)は、X(旧Twitter)、Instagram、Facebookなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用して採用活動を行う手法です。
企業の公式アカウントから日常の様子や社員インタビュー、企業文化などを発信することで、学生に対して親近感や共感を醸成し、自然な形で自社のファンを増やすことを目指します。
学生が日常的に利用するプラットフォームで情報を届けることで、従来の採用媒体では伝えきれない企業の「リアルな魅力」をアピールできるのが特徴です。
メリット:低コストで始められ学生との距離が近い
SNSアカウントの開設自体は無料であるため、他の採用手法と比較して非常に低コストで始められる点が大きなメリットです。
継続的な情報発信を通じて、学生と双方向のコミュニケーションを図りやすく、コメントやダイレクトメッセージを通じて気軽に質問を受け付けるなど、学生との心理的な距離を縮めることができます。
これにより、企業の透明性や親しみやすさをアピールし、学生のエンゲージメントを高める効果が期待できます。
また、情報の拡散性が高いため、予想以上の広範囲にリーチできる可能性も秘めています。
デメリット:継続的な情報発信と炎上リスク管理が必須
効果を出すためには、一過性の情報発信ではなく、継続的にコンテンツを企画・投稿し、アカウントを運用し続ける必要があります。
これには相応の人的リソースと時間がかかります。
また、SNSは情報の拡散が早い分、不適切な投稿や対応が原因で「炎上」するリスクも常に伴います。
企業の評判を損なう事態を避けるため、投稿内容のダブルチェック体制や、万が一の事態に備えた対応マニュアルの策定など、徹底したリスク管理体制の構築が不可欠です。
効果測定が難しい点もデメリットの一つと言えます。
費用の目安
SNS採用は、基本的にアカウント作成や投稿は無料で行えるため、自社で運用する限り、直接的な費用は発生しません。
しかし、より多くの学生に情報を届けるためにSNS広告を利用する場合は、数万円から数十万円の広告費が必要です。
また、コンテンツ制作やアカウント運用を外部の専門企業に委託する場合には、月額数十万円程度の運用代行費用がかかります。
採用効果を高めるためには、動画制作費やキャンペーン企画費なども考慮に入れておくとよいでしょう。
6. オウンドメディアリクルーティング|自社サイトで魅力を伝える
オウンドメディアリクルーティングとは、自社で運営するウェブサイトやブログ(採用サイト、社員ブログなど)を情報発信のハブとして活用し、採用活動を行う手法です。
就職ナビサイトのようなフォーマットの制約がなく、自社の理念や事業内容、働く環境、社員の魅力などを自由な形式で、かつ深く伝えることができます。
コンテンツを継続的に発信し、蓄積していくことで、企業のブランディングに繋がり、自社の価値観に共感する学生からの応募を促進する効果が期待できる、中長期的な資産構築型の採用手法です。
メリット:自由な形式で情報を発信でき企業の資産になる
最大のメリットは、デザインやコンテンツの内容、更新頻度など、すべてを自社の裁量で決定できる自由度の高さにあります。
社員インタビューやプロジェクトストーリー、独自の福利厚生の紹介など、他社との差別化を図るための深い情報を制約なく発信できます。
一度制作したコンテンツは、ウェブ上に残り続けるため、企業の採用活動における永続的な資産となります。
これにより、検索エンジン経由での継続的な流入も見込めるようになり、長期的な視点での母集団形成に貢献します。
デメリット:コンテンツ制作の手間と集客施策が必要
オウンドメディアを効果的に運用するためには、学生にとって魅力的で価値のあるコンテンツを継続的に企画・制作する必要があり、多大な手間と時間がかかります。
ライティングやデザイン、コーディングなどの専門的なスキルも求められるため、専任の担当者やチームを配置するか、外部に委託する必要が出てきます。
また、メディアを立ち上げただけでは学生に認知されないため、SEO対策やSNSでの拡散、Web広告の出稿といった、サイトへの流入を促すための集客施策を並行して行う必要があります。
費用の目安
オウンドメディアの費用は、自社で制作・運用するか、外部に委託するかで大きく異なります。
自社のリソースで内製する場合、サーバー代やドメイン代などの実費(年間数万円程度)に抑えることも可能です。
一方、制作会社に依頼して本格的な採用サイトを構築する場合は、50万円から数百万円の初期費用がかかります。
さらに、記事コンテンツの制作を外部ライターに依頼する場合は1本あたり数万円、サイト全体の運用やコンサルティングを依頼するとなると、月額数十万円の費用が必要になることもあります。
7. インターンシップ|仕事のリアルを体験してもらう
インターンシップは、学生に実際の就業体験の機会を提供することで、自社の事業内容や社風への理解を深めてもらう採用手法です。
単なる企業説明会とは異なり、学生は具体的な業務に携わる中で、仕事のやりがいや難しさ、職場の雰囲気をリアルに感じ取ることができます。
企業側も、選考の場だけでは見極めにくい学生の潜在的な能力や人柄、自社とのカルチャーフィットを、時間をかけてじっくりと見極めることが可能です。
これにより、入社後のミスマッチを大幅に低減させる効果が期待できます。
メリット:学生の能力や人柄を深く理解できる
最大のメリットは、実際の業務やプロジェクトを通じて、学生のスキル、ポテンシャル、コミュニケーション能力、ストレス耐性といった多面的な要素を深く理解できる点です。
短時間の面接では分からない、その学生の「素」の姿や、他の社員との相性なども確認できます。
学生にとっても、企業や仕事への理解が深まることで、入社後の具体的なイメージを描きやすくなります。
このような相互理解の深化は、内定辞退率の低下や、入社後の早期離職防止に直結する重要な要素です。
デメリット:プログラムの企画・運営に大きな工数がかかる
学生にとって有益で魅力的なインターンシップを設計するには、プログラムの企画、コンテンツの準備、受け入れ部署の調整、当日の運営、参加学生へのフォローアップなど、多岐にわたる業務が発生し、非常に大きな工数がかかります。
現場社員をメンターとしてアサインする場合には、彼らの通常業務にも影響が及ぶため、全社的な協力体制が不可欠です。また、参加学生の満足度が低いと、かえって企業のイメージを損ねる逆効果にもなりかねないため、質の高いプログラムを維持するための継続的な努力が求められます。
費用の目安
インターンシップの実施にかかる費用は、プログラムの内容や期間、規模によって大きく変動します。
交通費や日当を支給しない1dayの短期インターンシップであれば、会場費や運営スタッフの人件費程度に抑えられます。
しかし、数週間にわたる長期インターンシップで、学生に報酬(給与)や宿泊場所を提供する場合は、一人あたり数十万円のコストがかかることもあります。
その他、広報活動費や備品購入費、懇親会の開催費用なども考慮に入れる必要があります。
8. リファラル採用|社員の紹介でミスマッチを防ぐ
リファラル採用は自社の社員に彼らの知人や友人の中から企業の理念や文化に合致しそうな人材を紹介してもらう採用手法です。
社員が自社の魅力や働きがいを直接候補者に伝えるため企業理解が深く入社意欲の高い応募が集まりやすいという特徴があります。
また紹介者である社員が候補者の人柄やスキルをある程度把握しているため選考プロセスにおけるミスマッチが起こりにくく入社後の定着率が高い傾向にあります。
採用コストを大幅に抑えられる点も大きな魅力です。
メリット:定着率が高く採用コストを抑えられる
最大のメリットは、入社後の定着率の高さです。
紹介者である社員を通じて、企業のリアルな情報(良い面も悪い面も含む)を事前に得られるため、候補者は納得感を持って入社を決められます。
これにより、入社後のギャップが少なくなり、早期離職のリスクを低減できます。
また、求人広告費や人材紹介会社への成功報酬が不要なため、採用コストを大幅に削減できます。
社員にインセンティブを支払う場合でも、他の手法に比べて一人あたりの採用単価を低く抑えることが可能です。
デメリット:紹介者の負担や人間関係への配慮が必要
リファラル採用は、社員の個人的なネットワークに依存するため、安定的に候補者を集めることが難しい場合があります。
また、知人を紹介することに対して、社員が心理的な負担を感じたり、もし不採用になった場合に人間関係が悪化することを懸念したりするケースも少なくありません。
そのため、社員が安心して協力できるような制度設計(明確なインセンティブ制度、不採用時の丁寧なフォローなど)や、紹介を強制しない文化の醸成が不可欠です。
紹介者の人間関係に配慮したデリケートな運用が求められます。
費用の目安
リファラル採用の直接的な費用は、紹介してくれた社員に支払うインセンティブ(報酬)が主となります。
このインセンティブの相場は、正社員1名の採用につき5万円から30万円程度と、企業によって様々です。
候補者との会食費を企業が負担する「会食費補助制度」などを設ける場合もあります。
外部の求人媒体やエージェントを利用する場合と比較すると、大幅にコストを抑えることが可能です。
ただし、制度を社内に周知・活性化させるためのツール導入費や、キャンペーン企画費などが別途発生することもあります。
9. ミートアップ|カジュアルな場で相互理解を深める
ミートアップは、企業が主催する小規模でカジュアルな交流イベントです。
説明会よりもリラックスした雰囲気の中で、社員と学生が軽食を交えながら自由に語り合う場を設けることで、相互理解を深めることを目的とします。
テーマは、特定の技術に関する勉強会形式のものから、社員との座談会形式のものまで多岐にわたります。
選考の要素をなくし、まずは企業に興味を持ってもらう「きっかけ作り」として活用されることが多く、学生は企業のリアルな雰囲気を感じ取り、企業は学生の素顔や本音に触れることができます。
メリット:学生の本音を聞きやすく企業風土を伝えやすい
最大のメリットは、フォーマルな面接や説明会の場では聞けない学生の本音や率直な疑問を引き出しやすい点です。
カジュアルな雰囲気は学生の緊張を和らげ、双方向の活発なコミュニケーションを促進します。
企業側も、プレゼンテーションだけでは伝わりにくい社員同士のやり取りや職場の空気感を自然な形で示すことができます。
これにより、企業風土やカルチャーといった言語化しにくい魅力を効果的に伝え、学生との心理的な距離を縮めることが可能です。
デメリット:集客が難しくイベント運営の手間がかかる
ミートアップはまだ一般的な採用手法ではないため、学生への認知度が低く、集客に苦労する場合があります。
魅力的なテーマ設定や、SNSなどを活用した効果的な告知戦略が不可欠です。
また、小規模なイベントとはいえ、会場の手配、コンテンツの企画、当日の運営、参加者へのフォローなど、準備から実行までには相応の手間と時間がかかります。
参加人数が少なすぎると盛り上がりに欠け、期待した効果が得られない可能性もあるため、集客から運営まで一貫した計画性が求められます。
費用の目安
ミートアップの費用は、開催場所や規模、内容によって大きく変動します。
自社の会議室などを利用し、飲み物や軽食を用意する程度の小規模なものであれば、数万円程度に抑えることが可能です。
一方、外部のイベントスペースを借りたり、登壇者に謝礼を支払ったりする場合には、10万円から30万円以上の費用がかかることもあります。
また、イベント告知サイトの利用料や、集客のための広告費などが別途必要になる場合もあります。
10. 大学のキャリアセンター(就職課)との連携|大学との信頼関係を築く
大学のキャリアセンター(就職課)と連携することは、古くから行われている伝統的な採用手法の一つです。
企業が大学を直接訪問し、キャリアセンターの職員に自社の魅力や求める人物像を伝えることで、学内での求人票の掲示や、学生への個別紹介を依頼します。
特定の大学や学部の学生にターゲットを絞ってアプローチしたい場合に特に有効です。
日頃から担当者と良好な関係を築いておくことで、学内企業説明会の開催など、より有利な形で学生と接点を持つ機会を得られる可能性もあります。
メリット:費用をかけずに特定の大学の学生にアプローチできる
最大のメリットは、求人票の送付やキャリアセンターへの訪問に、原則として費用がかからない点です。
採用コストを大幅に抑えながら、自社が求める専門知識やスキルを持つ学生が在籍する特定の大学・学部に直接アプローチできます。
キャリアセンターの職員から学生へ直接推薦してもらえるケースもあり、大学からのお墨付きという形で信頼性を高める効果も期待できます。
地道な活動を通じて大学との信頼関係を構築できれば、継続的に優秀な学生を紹介してもらえる可能性があります。
デメリット:求人票の提出や訪問など地道な活動が求められる
多くの企業が同様のアプローチを行っているため、数ある求人票の中から自社に注目してもらうためには、地道な努力が必要です。
定期的に大学を訪問し、キャリアセンターの職員と顔の見える関係を築き、自社の事業内容や魅力を丁寧に説明し続けるといった、継続的なコミュニケーションが求められます。
また、アプローチできる学生がその大学の学生に限られるため、幅広い層の学生と接点を持つことは難しいです。
すぐに成果に結びつくとは限らず、中長期的な視点での活動が必要になります。
費用の目安
大学のキャリアセンターを通じた採用活動は、基本的に無料で行うことができます。
求人票の提出や学内企業説明会への参加についても、費用を徴収されるケースは稀です。
ただし、担当者が大学へ訪問するための交通費や、学生に配布するパンフレットなどの資料作成費は別途必要になります。
また、大学によっては、学内での合同企業説明会への出展に際して、数万円程度の参加費が必要となる場合もあります。
【目的別】自社の課題を解決する採用手法の選び方

これまで紹介してきたように、新卒採用の手法にはそれぞれ異なる特徴と強みがあります。
採用活動を成功させるためには、これらの手法を闇雲に試すのではなく、自社が抱える採用上の課題や目的を明確にし、それを解決するために最も効果的な手法は何かという視点で選択することが重要です。
ここでは、企業が抱えがちな4つの代表的な目的に合わせ、最適な採用手法の組み合わせを具体的に提案します。
1. とにかく多くの学生に知ってもらいたい(母集団形成)
企業の知名度が低く、まずはエントリー数を増やして母集団を形成したいという課題を抱えている場合、広範囲の学生にアプローチできる手法が有効です。
圧倒的な登録者数を誇る「就職ナビサイト」への掲載は、母集団形成の基本戦略となります。
これと並行して、多くの学生と直接対話できる「合同説明会・就職イベント」に積極的に出展し、自社の魅力を直接伝える機会を増やすことも重要です。
これらの手法で広く認知を獲得し、次の選考ステップへと繋げる基盤を築きます。
2. 専門スキルを持つ学生を採用したい
特定の研究分野や専門スキルを持つ学生など、ターゲットが明確な場合は、企業側から能動的にアプローチできる手法が効果的です。
学生のプロフィールを検索し、直接スカウトを送れる「ダイレクトリクルーティング」は、求める人材にピンポイントで働きかけるのに最適です。
また、専門分野に強みを持つ「新卒紹介サービス(エージェント)」を活用したり、ターゲット学生が在籍する大学の研究室や「大学のキャリアセンター」と直接連携を深めたりすることも、効率的な採用に繋がります。
3. 採用コストをできるだけ抑えたい
採用にかけられる予算が限られている場合は、低コストあるいは無料で始められる手法を中心に戦略を組み立てる必要があります。
社員の紹介を通じて採用する「リファラル採用」は、成功報酬などの費用がかからず、最もコストパフォーマンスの高い手法の一つです。
また、無料で始められる「SNS採用」で情報発信を強化したり、「大学のキャリアセンター」へ地道に求人票を提出したりすることも有効です。
これらの手法は即効性には欠けるものの、継続することで着実に成果を上げることが可能です。
4. 内定辞退率を改善し入社後のミスマッチを防ぎたい
内定を出しても辞退されてしまう、あるいは入社後の早期離職が多いといったミスマッチの課題には、学生と企業の相互理解を深める手法が有効です。
実際の就業体験を通じて適性を見極める「インターンシップ」は、ミスマッチ防止に最も効果的な手法と言えます。
社員のリアルな声を通じて企業文化を伝える「リファラル採用」や、カジュアルな雰囲気で本音の対話ができる「ミートアップ」の開催も、入社後のギャップを減らすのに役立ちます。
選考段階から学生との深い関係性を築くことが重要です。
また、採用サイトなどのオウンドメディアリクルーティングを活用し、正しい情報を発信していくこともミスマッチ防止に大きく貢献します。
新卒採用を成功に導くための3つの重要ポイント

自社に最適な採用手法を選択することは重要ですが、それだけで新卒採用が成功するわけではありません。
採用活動は、手法の選択から選考、内定、そして入社までの一連の流れとして捉える必要があります。
ここでは、採用活動全体を成功に導くために、手法選択の前後に押さえておくべき3つの重要なポイントを解説します。
これらのポイントを意識して一貫性のある採用フローを設計することが、最終的な成果を大きく左右します。
1. 採用したい人物像(ペルソナ)を明確にする
採用活動を始める前に、まず「どのような人材を採用したいのか」という人物像(ペルソナ)を具体的に定義することが不可欠です。
学歴やスキルといった表面的な条件だけでなく、価値観、志向性、行動特性など、事業の成長や企業文化の醸成に貢献してくれる人物の姿を詳細に描き出します。
ペルソナが明確になることで、採用基準が統一され、面接官による評価のブレがなくなります。
また、どの採用手法を使うべきか、どのようなメッセージで学生に訴求すべきかといった、採用戦略全体の軸が定まります。
2. 複数の採用手法を組み合わせて弱点を補う
特定の一つの採用手法だけに依存するのはリスクが高く非効率です。
例えば、就職ナビサイトだけに頼ると、他社に埋もれてしまい、自社が本当に求める人材に出会えない可能性があります。
それぞれの採用手法にはメリットとデメリットがあるため、複数の手法を戦略的に組み合わせることが成功の鍵です。
例えば、ナビサイトで広く母集団を形成しつつ、ダイレクトリクルーティングで優秀層に直接アプローチするなど、各手法の弱点を補い合い、相乗効果を生むような組み合わせを検討する必要があります。
3. 選考から内定後まで一貫したフォロー体制を築く
優秀な学生ほど複数の企業から内定を得るため、内定を出した後も安心はできません。
内定辞退を防ぎ、学生に自社を選んでもらうためには、選考中から内定後に至るまで、一貫した手厚いフォロー体制を築くことが極めて重要です。
選考過程では、合否連絡を迅速に行い、学生一人ひとりに丁寧なフィードバックを返すなど、誠実なコミュニケーションを心がけます。
内定後には、定期的な連絡や内定者懇親会、社員との面談などを企画し、入社への不安を解消し、エンゲージメントを高める取り組みが必要です。
新卒採用の手法に関するよくある質問

新卒採用の手法を検討するにあたり、多くの採用担当者が共通の疑問や悩みを抱えています。
ここでは、特に中小企業における手法の選び方や、費用対効果の考え方、そして近年重要度を増しているオンライン採用のコツなど、よく寄せられる質問について簡潔に回答します。
これらの回答を参考に、自社の採用活動における課題解決のヒントを見つけてください。
Q. 中小企業におすすめの採用手法はありますか?
ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、SNS採用がおすすめです。
これらの手法は、大手企業に比べて知名度や予算が限られる中小企業でも、コストを抑えつつ自社の魅力に共感してくれる可能性の高い学生に直接アプローチできます。
企業の理念や風土を丁寧に伝えることで、学生との強固な関係性を築きやすいのが特徴です。
Q. 採用手法ごとの費用対効果はどのように考えればよいですか?
採用単価(総費用÷採用人数)だけでなく、入社後の定着率や活躍度といった長期的な視点を含めて判断することが重要です。
目先のコストが安くても、ミスマッチによる早期離職が多発すれば、結果的に費用対効果は悪くなります。
どの手法が自社の求める人材の採用に繋がり、長期的に貢献してくれているかを見極める必要があります。
Q. オンライン採用で学生の心をつかむコツは何ですか?
双方向のコミュニケーションを意識し、企業のリアルな情報を積極的に開示することです。
一方的な説明に終始せず、チャット機能を活用して随時質問を受け付けたり、ブレイクアウトルームで若手社員との少人数座談会を設けたりする工夫が有効です。
画面越しでも企業の温かさや雰囲気が伝わるような、丁寧なコミュニケーションを心がけます。
まとめ
新卒採用市場が変化し続ける現代において、成功を収めるためには、多様化する採用手法を深く理解し、自社の採用課題や目的に応じて戦略的に使い分けることが不可欠です。
就職ナビサイトやエージェントといった従来の手法に加え、ダイレクトリクルーティングやSNS採用など、企業側から能動的にアプローチする手法の重要性も増しています。
本記事で紹介した10の手法それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、複数の手法を組み合わせることで、自社にとって最適な採用戦略を構築してください。
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